女性ホルモンを配合した薬剤、「ピル(経口避妊薬)」をご存知でしょうか?
「ピル(経口避妊薬)」は手術や装具を用いずに女性の意思で妊娠をコントロールできる唯一の方法です。英語では「oral contraceptive」もしくは「combined oral contraceptive pill」といい、世界中で広く利用されています。

なお、「oral contraceptive」を略して「OC」と表記する際、通常は低用量ピルを指します。

ピル(経口避妊薬)の主な種類

ピルには複数の種類があります。
有効成分である卵胞ホルモンの用量が分類の目安で、用量が最も低いものが超低用量ピル、その次に用量が低いものが低用量ピル、それ以上が中用量ピルです。
超低用量ピルは安全性を追求して新しく作られたピルで、長期服用に適しています。

超低用量ピルおよび低用量ピルは子宮内膜症や月経困難症の治療で保険適用が可能になりました。また、ジェネリックでこれまでより安価な低用量ピルが発売されたので、今後はピル利用のハードルはますます低くなっていくでしょう。
ここまでが、比較的よく知られているピルに関する情報です。

日本ではまだまだマイナーな種類のピルとしては、モーニングアフターピルがあります。モーニングアフターピルは望まない妊娠を防ぐ緊急用のピルです。性交後72時間以内の服用で約99%避妊できます。

72時間を過ぎても服用しないよりずっとましだと言われています。「あなた」の意思に反した行為があった場合は、3日を経過していたとしても必ず医師に相談することをおすすめします。

ピルはどうやって妊娠を阻害するの?ピルの仕組み

妊娠検査薬
なぜピルが妊娠を阻害する効果を持つのかというと、主剤である女性ホルモンが脳に働きかけて「これ以上卵胞を育てる必要はない」と誤認させるからです。

脳から卵巣に働きかけるホルモンが分泌され、このホルモンの刺激で卵胞が成熟し、排卵が起こります。卵胞から分泌される卵胞ホルモンによって脳は卵胞の成熟レベルを判断し、十分に成熟したと判断した時に排卵を促すホルモンを大量に分泌します。

ピルに含まれる女性ホルモンは実際に卵巣から生じるホルモンバランスと混ざり合って脳に届き、「その時」が本来の周期とは違う段階だと認識させるわけです。

長期服用タイプの低用量ピルおよび超低用量ピルはこの本来の周期バランスを下敷きにして避妊効果や病気治療効果を表すので、有効成分の配合量を服用するタイミングによって調整しなければなりません。1日でもピルの飲み忘れがあると本来の効果を得られなくなるので、利用する方はご注意ください。

単発使用のモーニングアフターピルについては、その場限りの効果です。
有効成分の働きで排卵を抑制して受精および着床を防ぐと考えられています。モーニングアフターピルの作用については未解明な部分が多く残されていますが、緊急避妊には非常に頼りになる薬剤ですので覚えておくといいでしょう。

恋愛に伴う責任とピルの有用性

現代日本では誰と恋愛するのも自由です。

しかし、自由には責任が伴います。
男女の恋愛で肉体関係を持てば、妊娠の可能性が出てきます。妊娠すれば子どもを産むか、産まないかを選ぶ必要があり、産むなら産む、産まないなら産まないで対処しなければなりません。

産まない場合には人工妊娠中絶手術を受けることになります。中絶は妊娠6週目から21週6日目までを限度として受けられる処置で、望まない妊娠や、予定外の妊娠を計画的に中断できます。ただし、中絶はリスクを伴う手術です。

妊娠11週6日までの中絶を初期中絶、妊娠12週から妊娠21週6日目までの中絶を中期中絶と区分するのですが、中期中絶は初期中絶より格段にリスクが高くなり、子宮破裂や大量出血、子宮穿刺、腹膜炎など、深刻な事態を招くケースもあります。

産むのであれば、居住環境や労働環境を整え、経済的に子どもを育て続けられるように準備することになります。リスクを受け入れるか、親としての役割を全うするか、それこそが、男女の恋愛に伴う責任というものです。

とはいえ、恋愛は男女がそろって初めて成立するのに、これらの負担は女性に大きく偏っていますよね。女性自身の手で望まない妊娠を防ぐ手段を身に着けるべきです。

避妊だけじゃない!何ができるの?ピルの使用目的

悩んでる女性

改めて言うまでもありませんが、ピルは経口避妊薬です。避妊が主目的の薬剤であることが前提ですが、近年では子宮内膜症や月経困難症の治療で保険が適用されるようになって、その用途の広さと手軽さに注目が集まりつつあります。

知っておいて損はないはずです。ピルの可能性についてご紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。

子宮内膜症の治療効果、月経困難症の治療効果、月経前症候群(PMS)の症状軽減効果、月経不順の改善、月経の経血量の異常を改善する効果、月経のペースをコントロールする効果のほか、男性ホルモンへの作用抑制効果によるニキビの改善、多毛症の改善が期待できます。

さらに、超低用量ピルと低用量ピルについては、卵巣がんの発症率低下や子宮体部がんの発症予防効果まで期待できると考えられています。

ただし、ピルは多くの製薬会社からそれぞれ特徴のある薬剤が販売されているので、商品によっては多少効果が異なります。体質に合わない処方では血栓症や、逆にがん発症の原因になる可能性も出てくるので、長期服用は様子を見ながら慎重に行うようにしてください。
婦人科、産婦人科でピルの処方を受ける際には、少量ずつの処方できちんと体質とピルの愛称を見極めるといいでしょう。

ピルに関するまとめ

さて、ここまでピルについて基本的な情報をまとめてみましたが、いかがでしたか?

「ピルは副作用が怖い」「ピルは高い」「自分には無関係」などとピルを嫌煙なさる女性は少なくありませんが、超低用量ピルの登場、ジェネリックの登場などで、薬剤としての安全性は明らかに向上しています。

女性ならではの毎月の不快な症状改善や、予定外の妊娠を避けるために、ピルは非常に有用性の高い薬剤です。
ピルが危険だと思ってきた女性のみなさまには、まず新しい情報に目を向けて、ご自分の味方になるアイテムの可能性を広げていただきたいと思います。

ピルに強いクリニックは大都市圏、特に新宿に集まる傾向があります。
当院はその中でも特にモーニングアフターピルなどでのご相談が多いクリニックで、女性のみなさまからのご信頼をいただいております。プライバシーに最大限配慮し、皆様からいただくご信任に叶う施術とサービスをお約束します。ピルについてご興味をお持ちの女性は、ぜひお気軽に当院までご相談ください。

カテゴリー: コラム

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です