人類の歴史を通して、現在ほどタトゥー(刺青)が世界中で関心の的になった時代はないでしょう。また、身分にかかわらずこれほど多くの人がタトゥー(刺青)を愛好した時代もなかったのではないでしょうか。
かつてタトゥー(刺青)は絵柄によってその人の身分や、帰属する民族、団体、地域などを表す機能を持っていました。今でもトライバルタトゥーの伝統を残す地域はあるものの、ほとんどの国ではすでに過去の風習となっています。北海道のアイヌ民族文化、沖縄の琉球文化にトライバルタトゥーの記録が残る日本でも同様です。
さらに、日本を始め多くの国でタトゥー(刺青)は刑罰に用いられた時期があります。そのため、「タトゥー(刺青)は反社会的である」というネガティブなイメージが付きまとうようになったのです。ちなみに、トライバルタトゥーとは「民族のタトゥー」という意味で、現存するトライバルタトゥーはごくわずかです。
例えば、オセアニアのサモアという島国にはポリネシアンサモアトライバルタトゥーがあります。伝統を人から人へと受け継ぎ続ける難しさは論じるまでもないですよね。ましてや、サモアは外国の脅威に翻弄され続けた国です。
サモア諸島の東側はアメリカ領、西側が独立国サモアなのですが、この海域は1899年から第一次世界大戦終結まではドイツの統治下におかれていました。第一次世界大戦後しばらくはニュージーランド軍の占領下となり、さらに1947年からはニュージーランドの国連信託統治領へ、1961年にやっと独立回復が決まり、1962年にようやく西サモア独立、そして独立から35年を経た1997年、ついに国名を「サモア」に変更し、現在の形になったわけです。軍事強国に支配される中で、ポリネシアンサモアトライバルタトゥーがサモアの人々にとってどれほど大きな意味を持ってきたか、皆様にもご想像いただけるのではないかと思います。
民族の誇りの結晶としてポリネシアンサモアトライバルタトゥーが有名になるのと同時に、その図柄を模したタトゥー(刺青)がいたるところで流行するようになりました。
多くのサッカー選手に影響を与えた世界各地のトライバルタトゥー

タトゥー(刺青)は野蛮、ダーティー、反社会的というイメージはいまだに残っているものの、民族のルーツを物語る「誇りの象徴」という価値観が加わったのです。ポリネシアンサモアトライバルタトゥーの「再発見」は、それまでタトゥー(刺青)を偏見の目で見ていた富裕層にも大きな影響を与えました。海外セレブを代表するサッカー選手やハリウッド俳優は流行に敏感ですから、こぞってポリネシアンサモアトライバルタトゥーを始めとした「民族のタトゥー」を取り入れるようになったと言います。実際、注意して彼らのポートレートを観察すると、ポリネシアンスタイルの図案、マオリスタイルの図案、曼荼羅スタイルの図案や、アメリカントラディショナルスタイルの図案が差し込まれていることがわかります。
しかし、トライバルタトゥーは元来、それぞれの流儀に従って全身を彩るスタイルでした。ところが、今ではワンポイントで星をモチーフにした図案を差し込んだり、複雑なデザインのごく一部にアメリカントラディショナルスタイルを差し込んだりと、すっかりアクセサリーのようにタトゥー(刺青)愛好家の間に浸透してしまっています。果たしてそれでもともとの形や価値を損なわずにいられるものでしょうか?
ファッション感覚でタトゥー(刺青)を入れる若者からもトライバルタトゥーは人気です。
ニューエイジのファッションタトゥーもまたトライバルの伝統を受け継ぐ側面を間違いなく持っています。とはいえそれは伝統をそのまま過去から未来へ受け渡すためではなく、次々と新しいデザインに生まれ変わるための土台、もしくはアクセントとして利用しているに過ぎません。「ファッションタトゥー」のトライバルタトゥーには歴史的背景やモチーフの意味などはそれほど関係なく、形が格好いいから、独特だからという理由が強いようなのです。
ルーツから切り離された「ファッションタトゥー」

日本でも若者を中心としてファッションタトゥーの人気が高まりつつあります。
当然、トライバルタトゥーの図案を取り入れる若者も増えています。ただし、民族の誇りやルーツに裏付けられた行為ではないためか、そのうちの8割から9割はタトゥー(刺青)を入れたことを後悔しているのだそうです。
ある人にとってはルーツに直結するタトゥー(刺青)デザインだとしても、日本人にとってはそうではありません。ルーツから切り離されたタトゥー(刺青)は本来の意味を失います。そうなればもはやただの飾りに過ぎず、タトゥー(刺青)に対する厳しい見方がまだまだ強い日本では重荷に成り下がるケースが多いのです。
世界のトライバルタトゥーに憧れる皆様、自分もいつかはと考えていらっしゃる皆様は、今一度そのデザインの意味や歴史的背景をよく確認し、ご自身の人生に寄り添う内容かどうかを確かめられることをおすすめいたします。すでに入れてしまっていて、後悔している、もしくは、想定していたような意味ではなかったという方についてはクリニックの受診をご検討ください。刺青除去(タトゥー除去)治療のご案内をさせていただきます。
刺青除去(タトゥー除去)という治療について

美容外科の新宿中央クリニックでは刺青除去(タトゥー除去)という治療を多くの患者様にご提供してまいりました。
刺青除去(タトゥー除去)とひとことで言っても治療法は様々です。レーザー治療、切除法、アブレーション・剥削法、植皮法などの種類があり、刺青のタイプやインクの入っている深さ、インクの種類、面積、そして、早く消したい、きれいに消したいなど、患者様おひとりおひとりの状態やご希望に応じて最も適切な治療方法をご提案いたします。
さらに、タトゥー(刺青)を取り除いた皮膚の回復を早め、より美しい仕上がりを目指すためのサポート技術も併用可能です。当院の場合はリジェネラという皮膚再生治療を採用しており、人気の治療法となっております。
広範囲のタトゥー(刺青)を素早く消すには外科手術が最も効率がいいのですが、皮膚を削り取る術式であるため回復にかかる時間の長さがハードルになっていました。リジェネラのようなサポート技術を併用すると、このダウンタイムを短縮できるうえ、見た目の問題も改善が期待できます。もちろん、メスを使わないレーザー治療でもリジェネラは有効です。
リジェネラは最先端の皮膚再生治療です。最先端であるがゆえにまだまだ導入している医療機関が少ない治療法ですが、当院ではすでに多くの臨床実績がございます。
価格に見合う最善の治療をお約束いたします。刺青除去(タトゥー除去)治療を必要とする皆様、ぜひ当院にご用命ください。当院では患者様が刺青除去(タトゥー除去)治療を受けられることを決断なさった時のみ、料金をいただく仕組みとなっております。それ以外では料金は発生いたしませんので、安心してご相談いただければ幸いです。
ご相談、ご来院予約はお電話またはメールで承っております。お気軽にご利用ください。